2015年11月6日金曜日

唄は短くなる


 




  数10年前私は三味線の名手、研究家のT先生を訪ねた。先生の素晴らしい伴奏で

  何度も唄ったことは有ったが、稽古場を訪ねたのは初めてだった。何時も怖い感じの
   
   方でしたがその時は随分と優しく接して下さったので、内心ホットした。

  
  
 
   その後私の下総野馬捕り等編曲をして頂き、色々なやり取りがあったのです。

  

   今日何故先生の事を話題にするかと云うと、私が書こうとしていることとT先生の事
   
   が関係あるからです。
  
  
   それは・・・ 

    唄は段々に短くなっていく・・と云う事です。間が決まっている西物なら勿論ですが、

   東北物でも余り長くない方が簡潔で良いと思えてきます。自由に節を入れたり少し

    延ばしたりすることが面白い民謡ですが、声の張り艶、技巧があれば短い方が

    良いのではないかと思えるこの頃です。実際名人の唄は、総じて簡潔です。

 

   先生曰く・・ハアが無駄に長いよ。とか・・大体ね・・ハアなんかいらないんだよワー

    これは私も参ったわ。

   そうだよ・・三味に乗ってネ・・乗って乗って・・乗るんだよ・・。

    阿吽の呼吸というか・・間ですよネ。

    
   チョトの遅れもズレも許せなくなっていた晩年の先生の姿でした。


   
   マア・・そうとばかりも言えないよー。無駄がイインダヨ・・の声も聞こえてきますが、名人
  
    の域に達するとこうなるのでしょう。

   
   
    この前も私のブログでコンクールでの竹唄が長すぎるのでは・・と書きましたが、マア他の
   
    唄にも当てはまると云う事でしょうか。とかく声自慢の方は、唄を伸ばしたくなるものですよ

    ね (笑)


  

 

 
  





  
 
  
   
   

 

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