9月12日に日本郷土民謡協会千葉県連合大会が開催され
宮本会からも7人のお弟子さん達がコンクールに出場しました。
今回の成績は3名が入賞。
松戸市内よりもさらにレベルの高いコンクールでの入賞だけに
会員一同おおいに意気が上がりました。
ところで、千葉県連合大会には、千葉県の民謡だけを唄い競う「菜の花杯争奪戦」という部門があり
私の作詞作曲した「下総松戸節」で出場したお弟子さんが、第三位に入賞したのです。
日頃の練習が入賞というかたちで報いられるのは
本人はもちろん私にとってたいへん嬉しいことです。
特に今回の「下総松戸節」は、私が作った民謡という意味もあって
二重の歓びを感じています。
そこで今日は、その「下総松戸節」について
お話をさせていただきます。
東京育ちの私が松戸に住むようになって、早くも40年からの歳月が過ぎましたが
10年ほど前、地元に唄いつがれた民謡がないことに気がつきました。
私にとって、生まれ故郷の静岡、子供から青春時代を経て大人になるまでの東京が、第一、第二の故郷とすれば
それ以後一番長い年月住んでいる松戸は第三の故郷であり
まして私の二人の子供達にとっては、松戸はまぎれもなく第一の故郷なのです。
その自分や次世代のために故郷の民謡が欲しいとの思いがつのり、出来上がったのが「下総松戸節」なのです。
幸いにも斯界の神様ともいわれる巨匠・千藤幸蔵先生に、親しく教えを請う機会にも恵まれ
編曲もしていただき、3年前の春にキングレコードから発表させていただきました。
2007年発売4月発売
タイトルの「下総松戸節」は私の第1作
「野馬捕り唄・のまどりうた」は、その後に作詞作曲し、やはり千藤幸蔵先生に編曲していただいた第2作目。
大昔から松戸を中心にした下総台地は野馬の放牧地帯で
とくに江戸幕府ではこれらを天領として、野馬の生産に力を入れていました。
野馬を生け捕りにする作業は、野馬捕りと呼ばれており
その勇壮なさまを唄った、リズム感にあふた元気の良い唄です。(他の機会にご紹介しますね)
それでは、「下総松戸節」の歌詞をご紹介しましょう
1番から7番までありますので、各々に簡単な解説も加えておきます
1 ハアー ここは松戸よ 江戸から六里 (ハーヨイトナ ヨイトナ)
葦の風吹く 納屋の河岸 (ハーヨイトナ ヨイトナ)
鳴いて (ソレ) くれるな 波千鳥 (ハーヨイトナ ヨイトナ)
解説 松戸宿は旧水戸街道の宿場町として発達しましたが
江戸川の水運にもめぐまれ、納屋河岸(なやがし)付近はおおいに栄えました
2 ハアー 帆かけ積荷の 高瀬舟行くよ
上り下りの にぎやかさ
恋し平潟 灯が招く
解説 その海運を担った舟が高瀬舟
納屋河岸付近の一角に平潟(ひらかた)とよばれる遊郭も存在しました
3 ハアー 風早お宮の 大杉さまよ
影はどこまで 願かけに
偲ぶ想いは 露の花
解説 北松戸の風早神社には大杉の伝説が残っています
4 ハアー 江戸見坂きて 日も暮れかかる
萬満お寺の 鐘を聞く
西の空見りゃ 茜富士
解説 馬橋から八ヶ崎近辺にかけての急坂を上ると富士山がよく見えたそうで
その坂は江戸見坂と呼ばれています
また、萬満寺は鎌倉時代に創建された古刹で、重要文化財指定の金剛力士像があります
5 ハアー 筑波はるかに 御料の牧よ
駒が勇めば 花が散る
勢子も木陰で 一休み
解説 野馬の放牧地は小金牧と呼ばれ
現在でも、小金原団地などの地名として残っています
6 ハアー 杜が見えます 本土寺さまよ
夏はあじさい 秋もみじ
参るその日は ご縁日
解説 いちめいアジサイ寺とも呼ばれる本土寺
時期にはたくさんの観光客でにぎわいます
7 ハアー 小金お城は 三万石ござる
下谷たんぼに 紅緒笠
踊る乙女の 品のよさ
解説 戦国時代に小金城に拠ってこの地方を治めた高城氏
江戸川流域の肥沃な土地は3万石あったそうです
というわけで、私の作詞作曲した「下総松戸節」が千葉県民謡として
たくさんのみなさんに唄っていただけるように、ますます頑張りたいと思います
どうぞよろしく
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